
本展は、2025年度の重要伝統的建造物群保存地区でのフィールドサーベイ(調査)に参加した東京藝大(油画第2・第5研究室)の教員・学生19名と、桐生大学短期大学部アート・デザイン学科の教員・学生14名による活動報告展です。若き美術家たちが観察し、表現した「いくつもの桐生」が発表されました。
※授業フィールドワーク履修学生および、サポートメンバー/スペースデザイン履修学生による作品制作です。




概要
桐生大学短期大学部アート・デザイン学科の学生たちは、4月に桐生市街地でのフィールドワークをスタート。7月まで一ディスカッションを重ね、夏休み中には有鄰館での滞在制作を実施し、最終的に一人ひとりが制作した作品を1つのインスタレーション作品として発表しました。
このプロジェクトは、東京藝術大学油画第2・第5研究室の教員・学生との合同企画であり、現地調査・リサーチから作品制作、展示までを一貫して行う実践的授業として位置づけられています。
展覧会タイトル「オリオリキリュウ。」
アート・デザイン学科では、白瀧姫伝説を題材にしたインスタレーションアート『オリオリキリュウ。』を発表しました。
桐生に織物技術を伝えたとされるオリヒメ、「白瀧姫」から着想を得た個々の作品は、架空の桐生として地図上に糸で結ばれ、一つの立体作品となりました。
※タイトル「オリオリキリュウ。」とは、学生がそれぞれの視点で架空の桐生を創造するために思いついた造語です。
展覧会情報
- 会期:2025年9月13日〜28日
- 時間:10:00〜18:00
- 会場:有鄰館・味噌蔵/醤油蔵
展示作品
作品は醤油蔵の広い空間に、吊り構造や立体構造を活かしたインスタレーションとして展示されました。学生は個々のテーマと素材表現を追求し、伝統と現代を接続するような多様な作品を発表しました。













制作プロセス
展示に至るまでのプロセスでは、工房での制作や会場での設営・展示作業を通じて、空間における作品配置やライティング、素材の質感調整など、実践的な展示作業を体験しました。
制作・設営の様子
- 各自のアイデアをもとに素材選定、設計・試作
- 工房でのグループ制作、型取り、加工
- 有鄰館での現場設営と調整
- 照明テストと最終配置






会場配布物
展示会場では、各作品のステートメントや作家プロフィールを掲載したパンフレットを配布しました。


おわりに
伝統的建築と現代アートが出会う「REAL TIME IN KIRYU 2025」は、学生たちが「今この時、この場所」に身を置きながら表現を試みた実践の記録でもあります。今後も、地域の歴史文化と教育をつなぐこうしたプロジェクトを継続していきます。