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廃棄物から新しい価値を生み出す

廃材処理、リサイクル製品製造を行う石坂産業株式会社さんでのフィールドワーク授業を実施しました。

「Zero Waste Design」のビジョンをアートとデザインの力で実現する提案をしました。

アート・デザイン学科が提案する、学生ならではの新しい視点 2案

フィールドワークで得た情報をもとに、授業内で沢山のアイデアを出し合い、後に教員を含めた協議でアイデアを絞り込みました。半年間の制作期間を経て提案を行いました。


1.オリジナルキャラクターデザイン
石坂産業のマスコット「ゆるキャラ」の開発

  • 「はいモン」誕生ストーリー・絵本「はいモンのぼうけん」制作
  • 「はいモン」とその仲間たち・オリジナルキャラクターデザイン
  • 「はいモン」グッズ制作・・・オリジナルトートバッグ・ぬいぐるみ

無限大の拡張性として(学生たちのアイデア)

  • ゆるキャラグランプリへの参戦・・・全国の子供たちへ認知(地域の子供たちからの応援・地元のシンボル)
  • ゆるキャラグッズ展開・・・・・・・認知と収益(キャラに魅力を感じれば、身近な存在として子供たちは身につけたい)
  • ゆるキャライベント開催・・・・・・地域の交流(三富今昔村でのイベント開催・見学通路やフィールドにも展開)

2.アップサイクル✕ファッション
身に付けたいと思うデザインとブランドコンセプト

  • 廃棄野菜を使った染物・・・Tシャツ・トレーナー・トートバッグ等
  • 里山の草木を使った染物・・Tシャツ・トレーナー・トートバッグ等

ブランドコンセプトの発言(教員のアイデア)

  • 試作で染め上がった製品の風合が、ハワイのサーフランドを想起。古着のような染め上がりが、アップサイクルというブランドコンセプトを後押しします。シルクスクリーンで刷られたワンポイントロゴは、あえて擦れ(かすれ)を演出しました。
    明るくポジティブなブランドイメージで、気持ちが明るくなるファッション性の高い商品をラインナップします。
  • 既存のロゴマークをベースにカラーリングを調整、強いメッセージをプラスしたシャープなロゴマークをデザインします。
    ブランドコンセプトは内に秘め、高いファッション性を主張。コンセプトに賛同する意識の高い客層がターゲットになります。
  • 商品タグを使って丁寧に商品説明することで、店頭でのブランドコンセプトの発言力を高めます。

2.アップサイクル✕アート
廃棄野菜とリサイクル製品を使ったアートピース

  • 廃棄野菜を使ったクレヨンの試作・開発
  • リサイクル製品とクレヨンを使ったアートピースの制作
廃棄野菜を使ったクレヨンの試作・開発

※ デザイナーの試練を学生が経験

廃棄野菜を使って制作されたクレヨンは、最終的にはパッケージングされ、プロダクトデザインとして発表される予定であった。しかしながら今回、やむおえず軌道修正を余儀

夏期集中授業内で、アルファベット型のクレヨンとして試作されたクレヨンは発色が良く、かわいらしい出来栄えとなった。後期授業ではパッケージングデザインを行い、完成を待つばかりであった。ところが夏のクレヨン制作から、後期授業開始までの2ヶ月間の保管中に、出来上がったクレヨンの鮮やかな色が退色してしまった。時間の経過と乾燥により、野菜から抽出した天然の色素が抜けてしまったと思われる。また個体によっては、表面に油分が出現している。色の素となる「野菜」ごとに、油分などの配合量の微調整が必要かもしれない。学科では、色抜けしないクレヨンを開発する研究にこれ以上の授業時間が取れないため、今回は発表方法の変更を決断した。担当した学生の皆さんにとっては、時間の制約がある中での制作とはいえ、中途半端な状況と言わざるを得ない。社会勉強という観点からすると、今後企業に所属して何か新しい「モノ」や「仕組み」を生み出そうとした場合、このような避けては通れない様々な制約に直面するであろう。そんな場面では、今回の臨機応変な状況判断も役に立つかもしれない。

本提案では、石坂産業のリサイクル製品と廃棄野菜を使ったクレヨンのコラボレーションにより、アップサイクルされたアートピースを発表いたします。